好きになったきっかけ

ワイン好きの方なら『神の雫』という漫画をご存知だと思いますが、
その原作では子供の雫が(父親の)カーヴに忍び込んでまで泥棒しようとして
飢えるように欲した薫り高いワインとして「DRCエショゾー」が描かれていました。
また新入社員木戸くんに対して「ヴァンサン・ジラルダンのエシェゾー」が
飲みたくなる香りということでエピソードがありました。


考えてみれば私も香りにやられてたかもしれないなー、ということで
ワインに嵌ったきっかけを少し膨らませて書いてみます。



ワインも人間を好きになるところと似てるところがあって
他人の評価やブランドや見た目(エチケット)に惹かれて飲むということも
当然あります。
しかしながら思いもよらぬ場所で思いもよらぬ人やワインと出会うこともあります。
先入観無しに出合ったり飲んだものに一生惑わされる結果というか
後で思い出すとじわじわキタかんじです。


たぶん2003年の夏だったと思います。
工場見学で訪れた山梨のワイナリーで飲んだ『登美ノーブルドール』でワインにハマりました。

国産”サントリー”ですよ。
おいしいとおもいますか?という感じで。*1
世間的によほど知っている人意外は評価も低いものでしたし、特に酒を飲まなかった
私には???という程度でした。
でも受賞ワインということでいただいてみました。


グラスワインで有料でしたが*2
こんな芳醇な飲み物があるんだ、と驚きました。
貴腐ワインでした。
当時は”神の雫”なんて言葉を知りませんでしたが、自然と人の生んだ賜物と感じました。


登美の丘ワイナリー 登美 ノーブルドール 1997
http://www.suntory.co.jp/wine/tominooka/list/wine_07.html


遠くからでも分かる芳醇な香り。
グラスを近づけると鼻腔をくすぐり、飲む前から幸せな気分になりました。
とろりと流し込んだ液体は蜜のように甘味で芳醇そのもの。
でも蜜じゃなくさらりと口腔に広がり、高揚を得ました。
まるでハレルヤコーラスの最後の余韻のようでした。


ショットグラスはお持ち帰りOKだったので、手持ちのジプロックに入れて
数日間冷蔵庫に保管しておりましたがしばらく香りは消えませんでした。



その後、
ハマったものの、もともとアルコールに弱いのでそれからほとんど飲んでませんでした。
というかそうそう買える代物ではありませんでした。
たまに思い出したように貴腐とアイスワインを買って舐める様にいただいてきました。


で、今は辛口にも手を出すようになりました。
とりあえずいろいろ勉強したいという感じであらゆる物を飲んでいます。
そうそう高いワインに手が出せるわけではありませんが
身の丈のおいしいワインを楽しんで行きたいと思います。



おいしいワインにも、また一緒にワインを楽しんでくれる人にめぐり合いたいというのが
目下の希望です。



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*1:*おフランスのワインと比べてどうよ?という感じもありました。今から考えるととても頭でっかちでした。申し訳ないです。

*2:*しかもショットサイズで3000円近くしました。