『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』

今週のお題「心に残る映画」
お題を受けてのエントリーなのですが、諸事情*1で心に残る映画となりました。


『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』予告編 :


田舎暮らしのゆえ、近くに映画館が無くわざわざ遠方まで出向く必要があり、それなのにくつろいで観ることもできないので、よほど観たいときにDVDまたはBlu-layでなかなか販売されそうにないもののみにしか観にいかないです。*2 
 
そんななか決心したのになかなかみれずに焦れました(笑)
一昨年秋に公開され、日本でも昨年秋に公開されるというので心待ちにしていたのですが、テアトル系の細々としたタイトルでなかなか上映日が決まらない映画でした。
めずらしく9月23日に早々に前売りを買ったというのに結局なかなか上映時間と手持ちの時間が合わずに12月中旬にようやく観れました・・・。


でもなんだかんだ・・・やっぱりワインが好きなのでそれに注目して見れたのでよかった♪
 
 
ネゴシアンの貴族に葡萄を買い上げられて生計を立てている小作人の主人公が、自分の丹精込めて作った葡萄が他人の葡萄とごちゃまぜにされて平凡なワインにしか仕立てられないのを悲しんで徐々にレコルタンマニピュラン(小規模の自家栽培および自家醸造家)になり、最高のヴィンテージワイン造りに人生をかけているお話。
それを助けたのが天使、天使にもやはり物語があり、そして天使にワインつくりに没頭しちゃうダンナに嫉妬しちゃう奥様や家族の物語、パトロンである男爵夫人との物語・・・・・深いよいワインにはいろんな要素の積み上げをを感じられるように人生の積み上げがよいワインを生んでいった・・・というお話でした。


だいたいのストーリーはこんなかんじですが、公式HPは下記。
http://yakusoku-wine.com/
原題は「THE VINTNER'S LUCK」というニュージーランド・フランス合作映画




そして・・・俳優さんがイケメンだった♪
天使役の俳優さんみたことあるなぁと思ったらこの人でしたw
BLEU DE CHANEL - THE FILM





さて、ワインブログなのでここからが本当に書きたいことw
 
長くなるので最後に書きましたが、やはり注目すべきは、19世紀のフランス・ブルゴーニュ地方ワインつくりの歴史が垣間見れておもしろかった点です。




この当時はまだ栽培技術も発達しておらず、樹の仕立ても棚などではなくて自然の生えっぱなしで、管理などされていなかった点。
霜で新芽が凍って壊死しないよう単純に焚き火して*3、新芽をまもるべく闘っていた点。
そしてこの頃の葡萄栽培最大の試練というと「フィロセキア」です。
すべての葡萄樹を失ったかに見えた畑で、たった1本、天使が授けた葡萄樹のみが生き残り・・・というのは映画だからのお約束なんですが(笑)・・・絶望のどん底から這い上がるという感動のストーリーに仕上げられていました。


また醸造技術もあまり発達しておらず、ようやく足踏み破砕絞りから装置を使ったものに移行しつつある感じでした。
破砕機でいうと2番目のイメージですね。



手動 破砕機


人力 破砕機


機械:モーターを使っての破砕機 



映画という物語の流れの中でかなりデフォルメされていた点もありましたが、本来観たかったのは動きがあるこれらなので、興味深く楽しめました。


もし視聴機会がありましたら是非こういう点も楽しんでみてください。



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*1:さほどの映画ファンということでないので、苦労したという意味だけになってるのは申し訳ないです。

*2:※本音を言うと、わざわざ遠方に出向いての映画鑑賞となるとデイリークラスのワインであれば2本以上飲める費用がかかるので・・・Blu-lay1本レンタルして1本ワインをあけながらのほうが時間的にもコスト的にも有意義に過ごせるかなという自分の趣味範疇のお話です。

*3:単純とはいいながらも現在でも焚き火やストーブはよく行なわれている手法