『カリフォルニアワイン物語 ナパ』

読書の秋ということでお酒やワイン関連の本をつまみ読みしていましたので少しずつ気づいた事なんかを書いてみたいと思います。


今回読んだ本はコレ。
『カリフォルニアワイン物語 ナパ』
  ジェームズ・コナウェイ (著), 松元 寛樹 (著), 作田 直子 (著)



 # 出版社: JTB (2001/09)
 # ISBN-10: 453303991X
 # ISBN-13: 978-4533039911
 # James Conaway ”NAPA” の和訳抜粋*1もの。



【内容】(「MARC」データベースより)
カリフォルニアワインの産地ナパ・バレーを舞台に、開拓から巨大企業化までのワイン産業の歩みを、伝統と改革の相克、愛憎渦巻くなかでの人間模様などのエピソードを交えながら描く。

写真の目次を見ていただいたら分かるんですが、時系列と事件がタテヨコに書かれていてちょっと頭を整理しながらでないと読みにくいですw*2
巻末に略年表がついているので最初に読んだほうがいいかもです。ざっくり4つの流れについて書いている本でした。
・ニーボーム・コッポラ関連
・モンダヴィ関連
・ボーリュー関連
・一般的出来事



カリフォルニアのナパバレーに関してざっと大枠を知るにはよい本だとおもます。
あらためてワインは人が造る物だということが実感。
文章の読みづらさ(翻訳ぽさが抜けてない)のを覗いては内容は興味深いものだと思います。


ワインって時間かけながら変化を楽しみながら飲むものなので、その間そんな興味深いお話をしながら飲むのが楽しい飲み物なのでそういうネタ話*3


たとえば「ヒュメ・ブラン」のお話。

ロバートはソーヴィニヨン・ブランをオーク樽で熟成させることにした。
まず、ぶどうをつぶした後、果汁の中から果皮をすぐに取り除かずに一定の間、放置した後、温度管理したステンレスタンクでワインを発酵させ、次にフランス産の新樽で熟成させてみた。
複雑なフレーバーを持つワインとなった。

あー、だからあんな感じなのか〜。とか。


またOpus Oneのデザインについてのくだりにへぇとか思ってみたり。

二人のシルエットがラベルにデザインされることにはどちらも賛成したが、その位置については意見が異なった。
(中略)
アーティストは、シルエットを少し変えて男爵の頭がロバートよりもほんの少し高くなるようにした。
(中略)
「『オーパス・ワン』はどうだ?」
今度は即答だった。作品一番。「最高」と聞こえる響きにロバートも満足した。

            155-156ページ 「カリフォルニアとフランスの合弁事業」より



いろいろと興味深い本でした。
ちょうど映画『サイドウェイ』なんかもありますし、事前に読んでおくとより興味が深まるのではないかと思います。



しかしながら個人的に一番記憶が残ったのが以下でした。
オーパス・ワンの誕生のくだりで、ロバート・モンダヴィ親子がはじめてフランスにフィリップ・ド・ロッチルド*4を尋ねて行ったときの食事でムートン1935年とイケム1945が出されたそうですが驚きました。

上品なエスカルゴと一緒に供されたのは、35年のムートンで、デザートワインは45年のイケムをかちかちに凍らせたものだった。ブーケはほんの少し飛んでいたが、フレーバーは、何も失われていなかった。男爵はロバートに、
「こういうのみ方をしていることをイケムのオーナーには言わないように、抗議されるからね」と言った。このときはビジネスについて何も触れられなかった。

         154ページ 「カリフォルニアとフランスの合弁事業」より




で、アホの子はやってみました♪
でもイケムなんて買えないからお手ごろクレスマンでw



酒精がそこそこあるので完全に凍らないんですね。
シャーベット状になりました。でも酔えますよ。
ソーテルヌでもやはり酸化すると酸味がつよくなるのでそういうのがもうちょっとな方には意外とおすすめかもしれません。

おいしかったです♪





【追記】
このクレスマン・ソーテルヌは先日の阪神ワイン祭りでエチケット破損で安く買えた物です。
でなければこんな冒険は(笑)


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*1:*残念なことに、全訳では無く、アメリカの行政に関しての部分が省略されています。たとえばワイン・トレイン設立の苦労話とか

*2:*たぶん世界史苦手だった人とかFFのようなマルチシナリオのゲーム苦手な人はつらいです。私がそうw

*3:*薀蓄というとどうもマイナスイメージがあるのでネタといいたいですw

*4:*英語表記の日本語訳なのでロッチルドになってますが、ロートシルトのほうが耳慣れていいですw